表面温度の異常(中央一列黄色い部分)が確認できます。
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ドローンを活用した最先端の外壁点検とは?
皆さんは、ドローンを用いて外壁点検が可能だということをご存知でしょうか?
テレビ番組等で空撮映像を見る機会が増えたことから、ドローンの存在は認識されるようになりましたが、この優れた技術はテレビ業界だけでなく、多岐に渡る事業分野で活用されています。
その一つが外壁点検という分野です。
ドローンは安定した飛行により高品質な空撮を行うことができ、それを基に詳細な点検が可能となりました。
この記事では、そんな最新技術であるドローンによる外壁点検のメリット・デメリットや、点検プロセスについて解説してまいります。
ドローンによる外壁点検のメリット
ドローンによる外壁点検は、従来の点検方法と比較してさまざまなメリットをもたらします。
メリット①
現場作業時間の大幅短縮と入居者負担の軽減
ドローンを用いた赤外線外壁調査には、現場での作業時間を短縮できるという大きな利点があります。
従来の打診調査では、物件の大きさによっては、全体の調査に半月から1ヶ月もの長い時間が必要となる場合がありました。
これに対して、ドローンを使用すると、撮影自体は最大でも2日以内に完了します。
さらに、足場やブランコを組み立てる必要もないため、調査期間だけでなく設置作業の時間も省けます。
これにより、住人や利用者への負担も軽減され、ドローンが外壁調査において重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
メリット②
高い安全性と事故リスクの低減
ドローンを使用した赤外線外壁調査の魅力の一つは、その高い安全性と事故リスクの低減にあります。
従来の打診調査では、調査員が足場上で高所作業を行うため、転落事故などのリスクがつきものでした。しかし、ドローンを用いた方法では、このような高所での直接作業が不要になります。飛行させるだけで建物全体の状況を撮影できるので、作業員の安全性は大幅に向上します。
さらに、点検用のドローンは各種基準をクリアした高品質な機器で、衝突防止用のセンサーなどが装備されており、その操作は特定の資格を持ったパイロットが行います。これにより、ドローン自体の墜落リスクも最小限に抑えられます。
もちろん、適切な運用と管理が前提ですが、そのために赤外線調査に特化したドローンスクールなどでの研修が可能です。
これらの理由により、ドローンを用いることで事故リスクが大幅に低減され、安全性が確保されるのです。そのため、安全性が重視される調査作業においては、ドローンの利用が強く推奨されます。
メリット③
客観的で明確な視覚データを得ることが出来る
ドローンによる赤外線外壁調査の最大の利点は、客観的で明確な視覚データを得ることができるという点です。
従来の打診調査では、調査員の感覚に頼る部分が多く、確固とした証拠を示すことが難しかったのです。しかし、ドローンによる調査では、赤外線カメラにより撮影された静止画や動画といった具体的なデータが残ります。これにより、「ここに問題がある」と明確に指摘できるだけでなく、建物の経年劣化の様子を直接視覚化することも可能です。
このデータは、施工者や顧客が共有できる客観的な情報となり、以降のメンテナンス計画立案や改修作業において有力な参考資料となります。
また、記録として保存しておくことで、過去の状態を振り返ることも容易になります。これにより、「このときの調査ではこうだった」という明確な情報を後世にも残すことができ、それが大きなメリットとなるでしょう。
メリット④
正確な見積の作成
ドローンによる外壁点検は、その正確性と範囲の広さから、修繕前の詳細な見積もり作成に大いに貢献します。これは、空撮により手が届かない箇所も含めて全体的な調査を可能にするためです。
従来の修繕前の見積もりは、人の手が届く範囲の部分的な打診によって行われており、その結果、修繕作業が始まると実際の費用が見積もりを上回るという状況が発生していました。これは、充分な調査が行えないことが原因でした。
しかしながら、ドローンを利用した外壁調査では、高さや建物のデザインによる制約を受けずに、より広範で詳細な調査が可能になります。その結果、より正確な見積もりが提供でき、見積もりに対する理解と納得感が向上します。さらに、これにより予期せぬ追加費用を削減し、修繕作業をスムーズに進めることが可能となります。こうした点から、ドローンの導入は大きなメリットをもたらしているといえるでしょう。
メリット⑤
費用の削減
ドローンを用いた赤外線外壁調査は、従来法と比較して人件費や機材費を大幅に削減し、点検費用全体を効率的に抑えることが可能です。
通常、外壁点検には多くの人員と時間が必要であり、特に大きな建物では広範囲の打診調査を行うために多くの人員と時間が必要でした。さらに、特に2階建て以上の建物では足場を組む必要があるため、それらの費用が大きく増加し、結果的に点検費用が数百万円にも上り、負担が大きかった形でした。
しかし、ドローンの導入によりこの状況は大きく変わりました。ドローンパイロットがいれば最低限の点検作業を行うことが可能であり、空撮映像の分析も自動化されています。これにより、点検に必要な人員の数や特別な技術を持った作業員が必要ないため、人件費を大幅に削減できます。
さらに、足場を組む必要が一切なく、撮影作業は最短で1日で完了するため、機材費や作業時間も大幅に抑えられます。大型物件であっても、現場での作業時間は1日で済み、そのために警備員を配置するなどの追加人件費も必要ありません。
このように、ドローンによる赤外線外壁調査の導入により、人員、時間、機材といった面での大幅なコスト削減が可能となり、最終的な点検費用を効果的に抑えることができるのです。これが、ドローンを用いた赤外線外壁調査の最大のメリットといえるでしょう。
ドローンによる外壁点検のデメリット
一方で、ドローンによる外壁点検には以下のようなデメリットも存在します。
デメリット①
天候や環境条件の制約
ドローンを使用した外壁点検は、天候に大きく左右されるという課題があります。具体的には、風や雨がドローンの飛行と性能に大きな影響を与えます。
風速が5m/sを超えると、ドローンの墜落リスクが高まるため、飛行は適切ではありません。また、風はドローンの精度を著しく低下させ、不安定な飛行を引き起こします。さらに、ドローンは精密な電子機器であり、水分に極めて敏感です。そのため、雨が降っている日や湿度の高い日には使用できません。
さらに注意すべき点として、天候の急変も問題となります。突然の雨や風により、計画していた調査が行えなくなる可能性があります。また、地上と上空では風速が大きく異なるため、地上では穏やかでも上空での風が強いという状況が起こり得ます。これがドローンの安全な飛行に影響を及ぼす可能性があります。
以上の事から、ドローンによる外壁調査を計画する際は、十分な日程調整と予備日の設定が必要です。降水確率や風速をチェックし、安全かつ効率的に作業が行える日を選定することが重要です。
デメリット②
法律と立地による制約
ドローンによる外壁点検は、建築物の立地や法律、条例によって飛行が制限される可能性があります。これらの制限は航空法や小型無人機等飛行禁止法などの規制法によるもので、機体重量が100g以上のドローンは対象となります。そのため、点検対象の建築物周辺の飛行可能性を事前に確認し、必要に応じて許可を取ることが求められます。
都心部や国の重要施設が集まっているエリアでは、これらの規制がさらに厳しく、通常の申請フローよりも煩雑な手続きが必要となることがあります。また、小型無人機の飛行が条例で原則禁じられている公園に隣接したマンションなどでは、調査時に公園上空を飛行させることになってしまう壁面についてはドローン使用を断念せざるを得ない場合もあります。
さらに、規制以外の制約も存在します。例えば、隣の壁との距離が近すぎて上手く飛ばせないと判断される場合は、事故の危険性を防ぐために飛行を中止する必要があります。 これらの規制や制約を考慮して、ドローンによる外壁点検を行う場合は、法律の規制や都市・公園の条例に配慮し、安全に作業を進めることが重要です。
デメリット③
気温と日照に影響される
赤外線調査は、ドローンの使用有無に関係なく、気温や日照の影響を強く受けるという特性があります。この調査手法は、タイルと壁面の間に生じた隙間の空気が密着部分よりも温められた状態を赤外線カメラで捉えることで、タイルの浮きを発見します。
したがって、適切な温度差がなければ調査は実施できません。例えば、夏場の直射日光が1〜2時間当たると、壁面全体が一気に温まり、データを取ることが困難になります。逆に、冬場や風が強い日、天候が悪い日、または北向きで常に外壁の温度が低い場所では、壁面が十分に温まらずデータの取得が難しいです。
さらに、完全に日の当たらない壁面や温度変化がない環境下では、タイルの浮きを判別できないケースも出てきます。これらの事象から分かるように、赤外線調査は気温の変化、日照の強弱、太陽の高さなどを綿密に計算し、壁面が適度に温まるタイミングを見計らう必要があります。
そのため、適切に外壁調査を行うためには、天候や立地、環境条件などの専門知識を有する専門スタッフが必要となります。このような調査は、気温や日照状態に左右されるため、適切な条件下で実施することが重要となります。
デメリット④
解析スキルの重要性
赤外線カメラから得られたデータの解析は、高度な知識と経験を必要とする重要なステップです。ドローンの操作と撮影技術は一定のスキルを要しますが、それ以上に重要なのはこの解析段階です。赤外線画像から得られる情報は非常に多岐にわたり、壁面の温度分布、特異な熱パターン、異常な熱損失などを正確に解釈することで初めて建物の健全性を評価できます。この解析作業は数千~数万枚の画像を相手に、ちょっとした違和感によって問題を見つけ出す精緻な作業であり、赤外線技術の深い理解と経験が必要とされます。
さらに、赤外線調査の解析スキルだけではなく、建物の構造や材質、そして周囲の気象条件についての知識も求められます。赤外線調査は気温や日照、風などの影響を強く受け、これらの要素を考慮に入れて最適な点検タイミングを見計らい、得られたデータを正確に解釈するためには、これらの分野に関する豊富な知識と経験が必要となります。
つまり、赤外線調査は撮影と解析の二つのステップからなるワンセットの作業ですが、この解析こそが技術差が現れる部分であり、調査の質を決定するキーファクターと言っても過言ではありません。
まとめ
本記事では、ドローンを用いた赤外線外壁点検(調査)のメリットとデメリットについて概説しました。これらを包括的に理解し、具体的な現場に応用することで、最適な調査手法と結果を導くことが可能となります。
メリットとしては、手間と時間を大幅に削減し、安全性を確保する一方で広範囲の調査が可能となる点が挙げられます。また、障害物や高所等、人間による直接の調査が困難な場所でも確実に点検できるという利点もあります。さらに、データがデジタル化されるため、結果をすぐに共有し、時間をかけずに分析することが可能となります。
一方、デメリットとしては、調査結果の正確さは気象条件や外壁の状態など、多くの外的要因に左右されるという問題があります。また、赤外線調査には高度な知識と経験が必要となり、特にデータ解析には深い理解と独特のスキルが必要とされます。そして、誤った解釈が建物の健全性の評価に影響を及ぼす可能性もあるため、注意が必要です。
これらの要素を総合的に考慮した上で、調査手法を選択することが求められます。しかし、適切な知識と経験を持つ専門家によって適切に行われれば、ドローンによる赤外線外壁調査は非常に効率的かつ効果的な方法となります。
以上、ドローンを用いた赤外線外壁調査のメリットとデメリットについて詳述しましたが、結論としては、この技術を最大限に活用するには専門的な知識と経験が必要不可欠であると強調したいと思います。それは調査の成功と安全性、そして最終的な結果の信頼性に直結するからです。そのため、赤外線調査を適用する際には、その全ての側面を理解し、それぞれの課題を適切に管理できる専門家に依頼することを強く推奨します。
お気軽にお問い合わせください。
お急ぎの場合は電話窓口まで、
お気軽にお問い合わせください。
ドローンスタジオ SKYFIGHT 松本のこだわり
赤外線点検
ドローンを使用した赤外線点検は、建物や配管などの設備において、非常に有用な手段として当社でも取り入れられています。
赤外線カメラを搭載したドローンを飛ばすことで表面温度の異常を検知することが出来ます。赤外線カメラは目に見えない熱エネルギーを検知し、色分けされた映像を取得することが出来ます。
太陽光パネルの異常検知
外壁の異常検知
同時に赤外線画像と可視画像を撮影し、異常個所の正確な位置を特定します。
Access
ドローンスタジオ SKYFIGHT 松本
住所 | 〒399-0014 長野県松本市平田東2丁目14-5 Google MAPで確認する |
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電話番号 |
0263-88-6968 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | 土,日,祝 |
運営会社 | 株式会社ASOLAB. |
国道19号沿いにスクールがあり、最寄り駅からも近いため近隣にお住まいの方はもちろん、遠方にお住まいの方も通いやすい環境です。基本的な操縦方法を学びたい方から商用目的で高度なテクニックと深い知識を得たい方まで、目的に合ったコースで学べます。
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